演目紹介

演目紹介

『ボレロ』

振付:アントニオ・ナハーロ
音楽:モーリス・ラヴェル
世界初演

アントニオ・ナハーロからのコメント

ラヴェルの『ボレロ』――それは、決して止まることのない鼓動であり、静かに始まり、やがて圧倒的なものへと膨れ上がっていく、ひとつの息吹です。

本作において、私はスペイン舞踊の親密で洗練されたヴィジョンを提示します。
それは時を経て進化し、変容し、その最も深い本質を露わにする「言語」なのです。

舞台は、生きた風景へと姿を変えます。
バタ・デ・コーラ(裾の長いドレス)、スペインのケープ、そしてカスタネットといった象徴的な要素が、現代的な感性によって再構築され、新たな洗練をまとって現れます。
それぞれの場面は、繊細な儀式のように展開し、伝統と現代が絶え間ない対話の中で共存します。

ダンサーたちはこの変容を体現し、スペイン舞踊の多様な質感と表現を、繊細さと強烈さをもって浮かび上がらせます。
私の舞踊団のダンサーたちの、驚くべき多才さと傑出した技術と芸術性が、この『ボレロ』をさらなる高みへと引き上げ、彼らの存在そのものが、あらゆる瞬間に深みと命を吹き込むのです。

本作を際立たせる要素のひとつに、男性ダンサーが奏でるスペイン古来の打楽器「チャカラス」の音色があります。
それが高まりゆくリズムの緊張感を増幅させ、音楽の宿命的なクレッシェンドへと導きます。
ヤイサ・ピニージョスによる衣裳は、ダンサーたちを強さとエレガンスの空気で包み込み、作品の視覚的な詩情をより豊かなものにします。

新たな『ボレロ』を創るということは、過去の無数の解釈という偉大な遺産に向き合うことを意味します。
私にとってそれは、ひとつの献身であり、挑戦でもあります。
洗練と静かな情熱を通じて、美、精密さ、そして感情の真実を追求し、スペイン舞踊の新たな地平を切り拓きたいと願っています。

日本の観客の皆様が、この新しい創作を楽しみ、深く感動してくださることを心から願っております。


『アレント』

振付:アントニオ・ナハーロ
音楽:フェルナンド・エゴスクエ

2015年、アントニオ・ナハーロがスペイン国立バレエ団芸術監督時代に初演した『アレント』。
スペイン舞踊を、より伝統にとらわれることなく、ジャズやコンテンポラリー、ストリートダンスなどの要素も取り入れて現代化し、スピード感と独自のセンスでみせた作品です。

まるでミュージカル作品のような華やかさと躍動感で、6つの場面を展開したこの作品は、2015年の日本公演でも上演され、多くの観客を魅了しました。

今回のバージョンは、2020年グラナダの国際音楽舞踊祭で初演されたもので、ミュージシャンによる生演奏で上演されるのが最も大きな違いといえるでしょう。
音楽だけのソロや、新しい振付も加わり、より充実した内容になりました。

迫力溢れる群舞はもちろん、男性群舞、女性のシーン、男女ペア、そして女性ソロ――変化に富んだ構成で最後まで飽きさせません。

めくるめく、新しいスペイン舞踊の世界に触れることができる作品といえるでしょう。